ロケーション・ハンティング

JA SUMMER, 2011 日本の都市空間2011


低密になっていくであろう、都市へ。

高密を前提とした、確定した領域の単位<へや>の集合がある一方、
低密を前提とした不確定な領域の単位<ロケーション>の集合に集まって住むことを考え
ます。

床からつくる<へや>は、その単位を反復することで面積が増えます。
壁からつくる<ロケーション>は、その単位を反復することで領域の解釈が広がります。

今まで<へや>とされていたものを、<ロケーション>に置き換える、というより、土地
全体を<ロケーション>の集合と再解釈して、壁を配します。
他人との距離を計りながら居場所を探し歩く体験を<ロケーション・ハンティング>と呼
びます。

同じ場所でも<ロケ・ハン>の度、感じる距離や領域の解釈は異なり、更新されます。土
地は街と一続きだから、実感を伴った場所や使い方の発見が街の延長の中にある、とても
自由で、生きることや身体の延長にあるリアルなわたしたちの都市。

都市が、巨大とはいえ生活のステージ(環境)であるとして、体験や距離という概念が、個
人的なものでなく時代を表する価値観なのだとして、「建てずに引き込む」というスタン
スの建築を介すことで、自由な体験の延長に都市を捉え直すことはできるでしょうか。
建物を持つことではなく、土地を持つこと。その土地に集まって住みながら、住む人びと
自身が環境として育てていくという価値について。