展覧会によせて 保坂猛 西田司 2人展~スピードスタジオ以降の展覧会



2004年にスピードスタジオを解散し、すでに7年が経ちました。

5年間活動を共にしていた戦友である保坂と僕が、解散後の7年間にどんな思考を持ち、
どんな建築を実現しようとし、現在どのような方向を模索しているかを、各々の設計過程
でのテキストやスケッチや模型を通して、感じてもらおうという展覧会です。

今回オンデザインが出展したプロジェクトはどれも現在進行中の住宅ですが、一口に住宅
と括るにはあまりにも多様です。クライアントの話を聞いているといつも、彼らの求める
スタンダードが驚異的な程異なっており、その思考している生活自体が、住宅と大括りに
できない魅力的で社会的なプログラムなのだと感じます。

言い換えればそれは、時代の要求だと言えないでしょうか。

オンデザインでは2007年頃より、担当スタッフがプロジェクト毎のパートナーとして僕
と共同で設計活動を行う”パートナー制”という独自の手法を構築してきました。

パートナー制とは、あるプロジェクトにおいて「一番実現したい建築」を考えるとき、複
数人の思考をぶつけることでしかえられない客体化をはかり、「僕が、一番実現したい建
築」から、「僕らが、一番実現したい建築」「僕らと彼らが、一番実現したい建築」「社
会の中で、一番実現したい建築」と、共有や議論の輪を広げ、その建築を単なる個別解を
超えた存在に育てるための姿勢であり、常に、具体でリアルな言葉や実感できる価値を見
いだし続けようとする挑戦です。

僕にとっては、パートナーも、クライアントも、施工者も、建築を実現するチームのメン
バーとしては非常にフラットな存在です。
刻々と、より多用に価値観が更新されていく社会の中で、いまは、チームで建築に取り組
む可能性を試行錯誤している途中です。

本展覧会で忌憚ない批評を頂戴することが、今後のオンデザインと、オンデザインから生
まれる建築を成長させるのだろうと期待しています。

西田司